こんにちは、ユウトです。
今回は、AIDMAの法則について解説します。
最近、◯◯の法則という記事が多くなってきましたが、何事も原理原則が重要だと考えているので、今後も法則系のネタは扱っていきます。
では、本題に入りましょう。
AIDMAの法則とは?
AIDMAの法則は、アメリカのローランド・ホールが提唱した消費行動のプロセスに関する仮説であり、次の5つのプロセスの頭文字を取ったものです。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
つまり、AIDMAは、消費者が商品を知ってから、それを購入するまでの一連の心理的プロセスを表しています。
では、それぞれのプロセスについて順番に説明します。
注意
商品やサービスを売る際、消費者の目を引くことが購入への第一歩です。
ここで行うべき営業戦略とは、テレビコマーシャル、新聞、雑誌、広告などのメディアを用いた宣伝活動です。
いずれもお金のかかる手法ですが、ブログやSNS、youtubeなどを用いれば、個人でも消費者を集め、注目させることは可能です。
関心(興味)
「注意」のステップで商品の宣伝を行ったとしても、消費者は自分に関係のないものであれば、すぐに忘れてしまいます。
そこで、消費者に商品に対して興味を抱かせる必要があります。
例えば、制汗剤を売り出すのに、「エイトフォー新発売!」と紹介するよりも、「汗の臭いとはこれでおさらば!エイトフォー新発売!」と紹介した方が、汗のニオイに悩んでいるターゲットに刺さる可能性が高くなるでしょう。
欲求
「欲求」の段階では、消費者の商品に対する「興味」を「欲求、購買意欲」へと発展させていきます。欲求を抱かせるには、その商品を購入することで得られるメリットを伝えるのが王道です。
先の例でいくと、汗の臭いを解消できると、お客にどんな未来が待っているのでしょうか。
例えは、「電車の中で周りの乗客の視線を気にしなくて済む」など、消費者が実際に抱えている悩みを解決できるとアピールすれば、単なる興味が欲求へと昇華するでしょう。
記憶
「記憶」のプロセスでは、商品の名前、価格、特徴など「購入」のための情報を記憶し、検討に入らせます。
この段階では、消費者の心の中で、「欲しい」という気持ちと「本当に、必要なのか?買うべきなのか?」という気持がせめぎあい、葛藤が続きます。
記憶の段階から、行動を起こさせるためには、「買う」という行動を正当化させるための情報を一つでも多く消費者に提供することが大切です。
例えば、「売上50万本突破!」、「満足度 脅威の99%」、「有名人も使っている」などのように、多くの人が使っており、満足度が高いと分かれば、さらに欲しいという欲求が高まるとともに、購入を正当化させる理由が増えます。
行動
注意、関心、欲求、記憶までのプロセスが正しく行われていれば、消費者の購買意欲が掻き立てられているため、購買という行動を起こしてくれる可能性は高いです。
しかし、購買意欲があっても消費者には「買えない理由」が残されており、それが購入の妨げになっていることがあります。
この場合、売り手は、消費者の「商品を買えない理由」を1つずつ潰していく手法が有効です。
例えば、価格が高いなら分割払いを用意したり、購入後のメンテナンスが面倒だと感じているのであれば、サポートを手厚くしたり、今買わなければならない理由がないのであれば、期間限定の特典を用意したりなどが、それにあたります。
AIDMAのカテゴライズ
先に説明したAIDMAの5つのプロセスは、次の3つの段階に分類されます。
- 認知段階:Attention(注意)
- 感情段階:Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)
- 行動段階:Action(行動)
買い手の視点から説明すると、商品を売るためには、まずは消費者に商品やサービスに対して注目させ、認知してもらわなければなりません。
続いて、認知した商品に興味、関心を抱き、欲しいと思わせ、商品に関する情報を記憶してもらう必要があり、この一連のプロセスが感情段階と呼ばれます。
最後に、商品やサービスの購入という行動を取ってもらうことになります。
ちなみに、アイドマの法則は、買い手に視点を置いていますが、これを売り手の視点と対応さ せると次のようになります。
買い手の視点 | 売り手の視点 |
注意 | 商品を知ってもらう |
興味 | 商品に興味を持ってもらう |
欲求 | 商品の価値に共感し、欲してもらう |
記憶 | 商品の価値を頻繁に連想してもらう |
行動 | 商品を購入してもらう |
ただし、当然ながら、人はそれぞれ考え、好み、知識が異なっているので、同じように商品を宣伝したとしても、それに対する反応は様々です。
そのため、マーケティングの基本となるターゲット選定やAIDMAのどの段階に影響を与えようとしているのかを明確化させなければなりません。
AIDMAのメリット
AIDMAを用いた販売活動を行うことで、商品が売れなかった場合に、自分たちのマーケティング施策がどこで失敗しているのかを見つけやすくなります。
例えば、おいしいパン屋さんがあったとします。そこでパンを購入した人は、80%の確率でリピーターになってくれるのですが、パン屋の売上が伸びていきません。
この場合、何が問題なのでしょうか?
これは、認知の段階で失敗している可能性が高いです。リピーター率が高くても、お客の数が少なければ、売上は伸びません。
おいしいパンであることは、リピーター率の高さが証明しているので、口コミに火がつくと、一気に人気店になる可能性を秘めており、後はパン屋を訪れてくれるお客を増やせばよいのです。
駅前など人の多いところでチラシを配ったり、無料で試食してもらうなどの方法もありますし、ネット集客なども有効でしょう。
次に、認知があるのに商品が売れない場合は、「感情段階」に問題はないかと疑います。
つまり、消費者はその商品を知ってはいるものの、「欲しい」とまで思っていないということです。
ターゲットに対して、商品を魅力的に見せる工夫をこらしたり、その商品を買うことで得られるメリットをしっかりアピールしなければなりません。
最後に、認知と感情の段階に成功しているにもかかわらず、商品が売れないのであれば、行動の段階に問題があるはずです。
例えば、商品が高くて購入できない、クレジットカードしか使えない、遠隔地でしか手に入らないなど、最後の「買う」という行動を阻害している要素はないかチェックします。
このように、商品の販売活動をAIDMAの各ステップにあてはめてチェックすることで、どの段階で失敗している可能性が高いのか判断できます。