こんにちは、ユウトです。

突然ですが、有給休暇の義務化はいつからかご存じですか?

労働基準法改正により、有休取得が義務化されると、これまで周りの目が気になって、なかなか有休を申請することができなかった人も、堂々と有給休暇を取得できるようになるでしょう。

今回は、あなたの労働環境に大きな影響を及ぼすかもしれない、有給休暇取得の義務化についてまとめておきます。

有給休暇の義務化はいつから?

厚生労働省は、2016年4月から社員に年間で5日分の有給休暇を取得させる義務を企業に課す方向で、労働基準法改正の調整を進めています。そのため、順調にいけば、来年の4月からは年5日の有給休暇取得が企業に義務付けられることとなります。

ただし、2015年9月27日に終わった第189通常国会では、労働基準法改正案は継続審議となり、成立は見送られることとなりました。来年の通常国会で審議入りする可能性が高いと言われていますが、改正案の施行が1年先送りになるとの見方もでています。

そのため、2016年4月からの有休取得義務化に暗雲がたちこめている状況です。

改正案の内容

改正案により、企業は年10日以上の年休を付与している社員に対して、年5日分の有休を取らせなければなりません。ただし、社員がすでに5日以上の有休を取得している場合には、企業の義務は発生しません。

例えば、社員が3日の有休を取得している 場合、年5日に満たない残り2日分を必ず取得させなければならないのです。つまり、これまでに年間5日以上の有休を取得していた人にとっては、労働環境に大きな変化はなさそうです。

会社は社員の有給休暇の取得状況を正しく把握しておくために、有給休暇の管理簿の作成も義務付けられ、改正案に違反した企業に対しては、罰則が科されることになります。

義務化の背景

社員の有休取得が企業に義務付けられた背景には、日本の有休取得率が欧米諸国と比べて、極めて低いからです。

有給休暇消化率

http://diamond.jp/articles/-/66508

現行の有給休暇制度では、6年半以上働けば年20日の有休が付与される仕組みですが、上の表を見ると、実際には半分の10日程度しか有休を取れていないのです。また、小売、娯楽業、サービス業、医療福祉、宿泊、飲食業などは、これよりもさらに取得率が低いと言われています。

改正案のメリット・デメリット

そもそも、今回の有休取得の義務化は、社員の働き過ぎ防止を狙いとしており、労働者の健康確保、仕事と家庭のバランス改善、労働生産性の向上なども期待されています。

メリット

これまで有休取得率が低かった業種や中小・零細企業などでは、社員の有休取得が権利ではなく、義務に変わるため、労働環境の改善や社員の健康向上などに一定の改善が見込めると考えられます。

特に、ぎりぎりの人員配置を敷いていたために過労が常態化していた飲食業では、社員を休ませるために、交代要員の管理などが見直されることでしょう。そのため、これまで全く休めなかった人にとっては、今回の改正案は朗報と言えるのではないでしょうか。

また、企業理念や職場風土などの影響で有休を「取りにくかった」人たちも、有休が義務に変わることで、これまでよりも周りの目を気にせず休めるようになると考えられます。

デメリット

有休取得の義務化により、会社が有休を取りやすい風土に徐々に変わっていくと期待されていますが、現在の日本が抱えている長時間労働の問題については、すぐには改善されないだろうと考えています。

というのも、休みが多くなったとしても、休んだ分のしわ寄せが普段の残業時間に上乗せされてしまう懸念があるからです。例えば、成果至上主義の会社に勤める社員や一般企業の管理職などは、成果で管理されているので、休んだことで業務が積み上がり、翌日以降の残業時間がより多くなってしまう可能性があります。

そうなると、有休日も翌日のことを考えて、ゆっくりと過ごせないのではないでしょうか。場合によっては、自宅で仕事をする人も出てくるでしょう。

事実として、このようなデータもあります。

休日に仕事を忘れられない

さらに、表向きは有休という扱いにしておいてサービス出勤させられたり、会社側の都合で勝手に取得日を決められてしまうといった懸念もでています。

つまり、有休の義務化で社員の満足度が向上するとは限らないのです。有休で休んだ社員に対して、翌日にそのしわ寄せが来ないように、グループ内の社員でカバーし合うなどの職場風土に変わっていく必要があると考えます。

まとめ

有給休暇取得の義務化は、2016年4月を予定していますが、通常国会での成立が見送られたことから、雲行きが怪しくなっています。

有休の取得が義務化されることで、小売、娯楽業、サービス業、医療福祉、宿泊、飲食業など特に取得率の低かった業種では、労働環境の改善が期待されています。さらに、職場風土などの影響で有休を「取りにくかった」人たちも、有休が義務に変わることで、周りの目を気にせず休めるようになると考えられます。

ただし、長時間労働が常態化している企業については、法の整備だけでなく、職場風土の根本的な改善が必要だと言えます。